トナリのサイコパス

どこにでもいるヤバイ奴。そうあなたの隣にも―。さて、今宵あなたの下へ訪れるサイコパスは―?

「マザーを探して」4

ユーリは、すぐにクラスの人気者になった。

頭が良くて、運動神経も抜群で、非の打ち所がなかった。

皆はユーリと友達になりたがったが、どういう訳だか、

ユーリは、僕に話しかけるようになった。

それは僕が図書館から借りてきた本を読んでいた時のことだ。

 

ユーリは、本を読んでいる僕の机の前に頬杖をつくと、

「それ、面白い?」と聞いてきた。

僕はとっさに返事が出来なかった。

何せ、クラスの人気者、赤毛のユーリが目の前にいるんだもの。

「お、面白いよ」

僕は少々どもりながらそう言った。

「ふ~ん」そう言いながら、ユーリは本を反対側から覗き込んだ。

僕はドキドキした。

ユーリの真っ赤な髪が一筋、僕の額にかかった。

「何これ?鉄道の本?」

と聞くので

「そう。友達同士で鉄道に乗って、宇宙を旅するんだ」

いつの間にか、僕も気後れなく返事をしていた。

 

その頃、アレクセイにいじめられている僕になんて、

話しかけるクラスメートはいなかった。

僕のあだ名は〝弱虫キリル〟で、

皆から馬鹿にされていたのだ。

 

けれど、ユーリだけは、何も気にせず、

僕の中に飛び込んできてくれたのだ。

 

「面白そう!君が読んだら、つぎ貸してくれよ」

ユーリはそう言って目を輝かせた。

 

そうして、僕たちは本を通して、一気に仲良くなったのだ。

 

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つづく