トナリのサイコパス

どこにでもいるヤバイ奴。そうあなたの隣にも―。さて、今宵あなたの下へ訪れるサイコパスは―?

「マザーを探して」8

父さんの言う事には、なんでも、五十年前に、〝ジェニィ〟が滅亡したあと、

人類の存続のために、光の塔が作られたということ。

 

これは人類の秘密なので、悪い人達がマザーを悪用しないために、

各国の首脳たちが集まって会議をし、人目につかないように、こんな田舎をわざわざ選んで、作ったと言う事―だった。

 

だから、マザーの事を知られるのは、一番困る筈だった。

 

それはそうだろう。

だって、子供はどうやってできるの?

 

クラスでも一番チビで、クセのあるマルセルがそう理科の授業で聞いた時、

ザハール先生は目を白黒させて、答えられなかったんだもの。

 

理科の授業では、この世界は、〝オス〟と〝メス〟とに分かれていると

いうけれど、じゃあ僕たち人間は、どうやって生まれるの?

どこに〝メス〟がいるの?と。

 

思ったままが素直に口について出るマルセルの質問は、

僕たち全員が考えていたことだった。

 

クラスの全員が固唾を呑んで、先生を見つめたが、

先生は一つ大きな咳払いをしただけで、

「いずれは君たちにも分かる」と言っただけだった。

 

その後、大きなブーイングが起きた事は言うまでもないが、

僕はその喧噪の中、ユーリだけがひとり、真っ青な顔でいることに、

気がついたのだった。

 

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つづく