トナリのサイコパス

どこにでもいるヤバイ奴。そうあなたの隣にも―。さて、今宵あなたの下へ訪れるサイコパスは―?

「ホラーな彼氏」10

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翌朝、チロのワンワン吠える声で目を覚ました。

 

「なによぉ、チロ、うるさいわね・・・」と寝ぼけながら目を覚ますと、ギョッとした。

 

な、なんと、そこにはあどけなく寝ている先輩の顔があったのだ!

私は恥ずかしくなって思わず顔を引いた。

 

は、早川先輩と(しかも裸の!)二人っきりで、自分の部屋へ居るなんて・・・そんな事が起きるなんて・・・!夢みたいだった。

 

「・・・・・・」

先輩の無防備な寝顔を見ているうちに、私はつい唇を近づけてしまった。

 

「老けたな、オイ」

突然先輩の声がした。目を開けると、眉間に皺を寄せている先輩が見詰めていた。

 

「え?老けた?」

何言ってんの?と私は思った。老けただなんて、この女子高生の私に。

 

その時、阿古屋さんの言葉が甦ってきた。

 

「あなたの若さを頂くわよ」

 

「———!!」

慌てて私は洗面所へ駆け込んだ。

そして唖然としてしまった。

 

そこに映っているのは、白髪頭で、目尻、口元に皺のよった老婆だったのだ。

ギャ〜〜〜!!!

声にならない声で叫んだ私は、阿古屋さんの言葉が本当だったことを思い知った。

 

阿古屋さんは本物の魔女だったのだ—!?

そう思うと私は恐怖で、

 

ギャ〜〜〜!!!!

とまた声にならない声を出した。

 

 

 

つづく

 

 

嫁の家出 (実業之日本社文庫)

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