トナリのサイコパス

どこにでもいるヤバイ奴。そうあなたの隣にも―。さて、今宵あなたの下へ訪れるサイコパスは―?

「ホラーな彼氏」21

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私は先輩を貫いた魔法の杖を引き抜いて、高々と掲げた。

 

「あ、それは―」

阿古屋の顔が青ざめた。

 

私は大きな声で叫んだ。

 

「エコー エコー アッサラー!」

 

風が強くなり、窓ガラスがガタガタ揺れ始めた。

 

「エコー エコー ゾメラク!」

 

大釜を茹でている火が大きくなり、天井近くまで燃え上がった。

 

「あ・・・!」

阿古屋は壁にしがみついた。

 

「エオ エオ エアオーッ!」

 

その時、窓ガラスがバリン!と割れ、強い風が部屋の中へ入ってきて、室内の物が風に吹き飛ばされた。そして強風に煽られた火がカーテンに燃え移り、部屋の中が真っ赤になっていった。

私は涙を流しながら、杖を阿古屋に振り上げた。

 

「先輩の仇、エア エア エアオーッ!」

 

「ぎゃ~~~!!」

 

阿古屋の叫び声が聞こえたかと思うと、突如、目の前が暗くなり、

と同時に私は気を失った。

 

 

つづく

 

 

嫁の家出 (実業之日本社文庫)

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  • 作者:中得 一美
  • 発売日: 2020/02/07
  • メディア: 文庫