トナリのサイコパス

どこにでもいるヤバイ奴。そうあなたの隣にも―。さて、今宵あなたの下へ訪れるサイコパスは―?

突然夫が変わった 3

こんにちは。

パモン堂です。

前回の続きです。

 

夫が、うつ病の薬を服用するようになってから、

我が家は崩壊の危機に瀕していました。

 

夫が〝真夜中のシンデレラ〟ならぬ、暴れ回るモンスターに変容したからです。

 

それを毎晩毎晩、制止するのが、私の役目で・・・

そして、へとへとになってしまいました。

 

そんな中で、息子に異変が起きるのです。

 

(中略)

 

そうしてその日から、リョーヘイの力が尽きるまで、毎晩のようにナナコはリョーヘイの身体に乗って押さえつけていなければならなくなった。

 

しかも近所迷惑にならないように、声は出さずに、無言のままでやらなければならない。

 

激しく抵抗するリョーヘイの身体を右へ左へ追いながら、それは時には半時間以上にも及ぶ格闘となった。

 

あまりにも疲れている時は、ナナコはいつの間にかリョーヘイの身体の上で眠ってしまうという事もあった。

ようやく静かになると、ナナコは深い溜息をつく。そしてリョーヘイの身体から身を起こすのだが、いつの間にか全身からは汗が噴き出しているのだった。

「……」

そうして、痛む腕を気にしつつ、自分の布団へ滑り込むのが常だった。

 

ツトムは気づく時もあれば、気づかない時もある。

けれどナナコは毎回ツトムの寝顔を確認した。

眠っていればよし。

 

けれど時々ツトムは寝た振りをした。

ツトムにはそういうところがある。

気づいているのに気づかない振り。

それはツトムなりのナナコへの気遣いだったのだと思う。

 

何が起こっているのか聞きたいけれど聞けないという、彼なりのジレンマ……。ナナコにはそんなツトムの気持ちが痛いほど分かっていた。

 

ナナコだってもちろん、ツトムに答えてあげたいが、毎晩、それも何故か判で押したかのように、きっかり十二時を回ると別人になってしまう夫を、どう解釈していいのか分からなかったのだ。

 

どうすればいいのか見当もつかなかった。

 

ただただ手をこまねいて見ているだけしかなかった。

布団の中に潜り込ん寝ているツトムの顔を確認しながら、ナナコは、小さく溜息をついた。


一体どうすればいいのだろう、どうすれば……。

だが、いくら考えても答えは出てこずに、ただ時計の音だけが虚しく響くのだった。

 

「にゃん太を探して」より

 

 

このような惨劇が毎晩のように起こっていた訳です。

 

あの頃の事を考えると、不思議です。

一体、毎日、どのように過ごしていたのか・・・。

若かったから、乗り切れたのであって、今なら

無理だったでしょう。

 

体力に任せて、毎晩毎晩、大の男を押さえつけなければなりませんでした。

私が瘦せっぽちだったら、無理だったでしょうが、

幸い、当時の私は、軽く70キロ越えをしていたので、

体力負けしませんでした。

 

でも、体力的にはなんとかなっても、精神的にはどんどん、どんどん追いつめられていったのです。

 

つづく

 

 

 

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醜い大女が仇討ちに出るお話。

実は・・・巨漢は、自分がモデルです。(^^;)

 

 

嫁の家出 (実業之日本社文庫)

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