トナリのサイコパス

どこにでもいるヤバイ奴。そうあなたの隣にも―。さて、今宵あなたの下へ訪れるサイコパスは―?

「ニャン太を探して」10

 ところが、恐る恐るナナコが皿に入れてやると、ニャン太はそれを勢いよく食べ始めるではないか。人間にとっては無味乾燥なものでも、ネコにとってはおいしいものらしかった。
 

 それを見ながらリョーヘイは、
 「このカリカリなら、ウンチの処理も簡単らしいよ」と言った。
 

 確かに、毎日同じものを一定量しか与えなければ、ウンチの量だって同じだろう。変な物を食べてお腹を壊すということもないだろうし、臭いもキツくないだろう。だが、本当にそれでいいのだろうかとナナコは疑問に思った。

 人間が管理しやすいためだけに、ネコを都合よく仕立てているだけではないかと。

 「……」

 ナナコは少し空恐ろしい気がした。それは人間のエゴではないかと。

 

 しかし、しばらくすると、、ネコを飼うということは、この臭いとの戦いであるということも、また事実なのだということに、ナナコはすぐに気づかされることになった。
 

 人間の寝床には入れられないので、ニャン太の寝床は台所の玄関脇に、椅子を置き、その上にツトムが赤ん坊の頃に使っていたベビー布団を敷いたものにした。
 

 ニャン太はそこを気に入ったようだった。だが子ネコは好奇心一杯で、食器棚やテーブル、冷蔵庫がところ狭しと並ぶ台所をぴょんぴょん飛び跳ねた。

 

 なので、朝起きると、洗って置いた食器籠の中に茶色い毛が付いていたり、乾物の袋が破られ中身が散乱していたりした。

 

 またウンチをすればその臭いが台所中に充満するので、家族の食卓を預かる身としては、その不潔さに苛立つこともしばしばだった。 

 

 つづく

 

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