トナリのサイコパス

どこにでもいるヤバイ奴。そうあなたの隣にも―。さて、今宵あなたの下へ訪れるサイコパスは―?

「ニャン太を探して」95

ナナコはもう訳が分からなかった。夫とは言葉が通じなくなってしまったのだと痛感した。

 

リョーヘイはその夜、酔いつぶれて、居間で寝入ってしまった。ナナコが声を掛けると、目を閉じたままのリョーヘイがボソリとつぶやいた。

 

「お前は俺を裏切った……」

 

「―!」

 

その言葉にナナコが驚いて見やると、リョーヘイの眼からスッと涙がこぼれ落ちた。

 

「お前は俺を裏切った……。俺は絶対に許さないからな」

 

そう言うとリョーヘイは、そのままスーッと寝息を立てていった。

 

「……」

 

一人取り残されたナナコは、夫の怒りに触れてしまった事に戸惑った。深いため息をつくと、一体何が原因でここまでこじれたのだろうと考え始めたが、よく分からなかった。

 

だがもう取り返しの付かない所まで来た事だけは確かだった。リョーヘイには依怙地なところがあり、こうと決めたら、梃子でも動かないからだ。

 

f:id:pamondou:20200528115118j:plain

 

つづく