トナリのサイコパス

どこにでもいるヤバイ奴。そうあなたの隣にも―。さて、今宵あなたの下へ訪れるサイコパスは―?

「ニャン太を探して」111

それから何年かがあっという間に過ぎていった。

 

ツトムは今年中学を卒業した。

ツトムは、中学二年に進級した頃、不登校になった。もうお腹が痛いなどと言わずに、部屋から出てこなくなった。

そしてクラスメートや担任の先生が訪問した翌日だけは学校へ行ったが、すぐに行かなくなる。その繰り返しだった。

 

ナナコは仕方がないと諦めていた。

あの父親の子だもの、仕方がないと。ツトムはリョーヘイの背中を見て育ってきたのだから。

 

一番の被害者はツトムだったのかもしれない。

 

卒業証書は他の不登校の生徒たちと一緒に校長室で手渡され、複雑な思いでナナコはそれを見ていた。春からは定時制高校へ通う予定だった。

 

リョーヘイは、会社を休みながらもなんとか出勤していたが、ついに半年前から休職することになってしまった。

どうしても朝起きられなくなってしまったからだ。

傷病手当を貰えることになったが、生活は一挙に厳しくなった。

 

最初のうちは、仕事へ行かなくていいと言われて気が楽になったのか、一日中ジョギングを楽しんだりしていたが、やがて何日も寝込むと、部屋から出てこなくなった。

 

時々ナナコがそっと部屋を覗いては、生きているのか死んでいるのかを確かめなければならなかった。

 

ナナコはそんな中で一人仕事を続けていた。ツトムが不登校になった時、いっそ仕事を止めようかとも思ったが、ハナエさんから、 

 

「今仕事を辞めるのは良くないよ、二人ともキツイ思いをするよ」と言われ、そのまま続けることにした。

 

 

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つづく